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Chapter-46 太陽系外惑星系を探す 数十年前まで、この広い宇宙に太陽系以外に惑星系が存在するのかどうかさえ検証されていない大きな問題でした。ところが近年の観測機器の進展に伴い、太陽系以外に惑星系が存在することを疑う天文学者はいませんし、それどころか、現在太陽系以外で惑星を持つことがわかっている恒星の数は120個以上もあります。 なぜ私たちは太陽系外の惑星系について非常な興味を持ち莫大な予算を使ってそれを探し求めるかと言えば、「私たちはこの広い宇宙でひとりぼっちなのだろうか?」という疑問の答えを求めることが生命体としての私たちの存在意義を確信することにもつながる究極の疑問だからです。結論から言うと、太陽系外の惑星系に生物がいる科学的証拠は得られていません。けれど、その前提となるであろう、地球型惑星の存在を確認する段階まで私たちの科学技術は進展することができました。 これまでの地球系が惑星の探査は赤外線を使った構成周囲の地理の雲を観測することから始まりました。これは、太陽系の衛星が太陽が生まれる過程で宇宙空間に取り残されたチリが集まってできたという説に基づくもので、中心の恒星からのエネルギーでこのチリが暖められ赤外線を出すことによって観測が可能となります。しかし、現在の系外惑星系探査の中心的な方法は惑星の公転によって中心の恒星がふらつくことを観測する間接的な方法となっており、現在確認されている系外惑星系のほとんどはこの方法によって観測されました。その他の観測方法として、惑星が中心の恒星の前を横切る食によって恒星の明るさが変わることを用いた観測方法もあります。この観測方法は非常に難しいのですが、もし成功すれば惑星の大きさや木星型か地球型か、あるいは大気はあるのかないのかあるとしたらその成分は何かと言うことまでデータが得られる可能性のある非常に有効な方法です。 ここで系外惑星発見の歴史を振り返ってみますと、1992年にパルサー(PSR1257-12)の周りに3つの惑星があることが発見されたのが初めて観測された系外惑星ですが、この発見はパルサーというものすごいエネルギーを出している天体の周辺の惑星のような天体を発見したという意味で、究極の目的である生命を探すという観点からするとややはずれたものでした。これまでの私たちの知識の範囲で考えるならば、生命体が惑星に存在するためには太陽のような主系列星、つまり、その天体がちょうど良い重さで誕生して、誕生からちょうど良い時間が経過している恒星を中心星として持たなければ生命は存在できないと考えられています。その後、1995年についに太陽に似た主系列星であるペガスス座51番星に衛星が確認されました。 私たちの太陽系は水金地火木土天海冥の惑星系を持っていますが、太陽系以外に惑星系が初めて見つかったのは2001年で、アンドロメダ座ウプシロン星でした。ここらあたりまでのデータから宇宙には太陽系にそっくりの惑星系が大量に存在するようだと考えられるようになりました。 太陽系外惑星に関する報告はすでに大量にありますので、ここでは最近の報告を2つほど紹介したいと思います。
さて、最後に私たち日本の最新研究成果について触れておきます。
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