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科学コミュニケーター 中西貴之
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Chapter-49 恐竜に関する最新情報
2004年10月23日

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 イギリスの科学雑誌「Nature」から恐竜についての記事を紹介します。

Nature 431, 680 - 684 (07 October 2004); doi:10.1038/nature02855
Basal tyrannosauroids from China and evidence for protofeathers in tyrannosauroids
 ティラノサウルス・レックスの仲間のうちもっとも古い種類は、原始的な羽毛を身にまとっていたことが報告されました。
 これまで、肉食恐竜には羽毛のような皮膚構造が備わっていたという説がありましたが、今回の発見でそれが真実である可能性が高まりました。
 今回報告された化石が見つかった場所は中国の白亜紀前期の地層で、堆積層の年代は1億3,900万〜1億2,800万年前でした。このティラノサウルスの仲間の恐竜は比較的小型(体長およそ1.5 m)で、骨格の構造は原始的でしたが、頭骨はティラノサウルス.レックスと同じように、横からみると鼻先が特徴的な四角い形をしていたそうです。

Nature 431, 838 - 841 (14 October 2004); doi:10.1038/nature02898
A new troodontid dinosaur from China with avian-like sleeping posture
 眠った態勢のまま埋まったと思われる新種の恐竜の化石が、中国で発掘されました。この恐竜は、現在の鳥類が眠るときとそっくりの、片方の前足で頭を抱え込み、体を丸めた姿勢で見つかったそうです。研究者らはこの恐竜に、「ぐっすり眠る竜」という意味でMei longと名づけました。

Nature 430, 772 - 775 (12 August 2004); doi:10.1038/nature02699
Gigantism and comparative life-history parameters of tyrannosaurid dinosaurs
 世界最大のティラノサウルス・レックスの頭の化石を詳細に調べたところ、この個体は老年期の成体で、最大成長速度は1日あたりほぼ 2.1 kg でしたが、成長は20歳前後で頭打ちになって29歳前後で死んだことがわかりました。
 この巨大なティラノサウルスの成長過程における状態の変化はより小型の種と同じだったことからティラノサウルス・レックスが巨大化できた理由は成長速度が速かったことにあると考えられます。

Nature 430, 33 (01 July 2004); doi:10.1038/430033a
Pterosaurs as part of a spinosaur diet
 バリオニクスやスピノサウルスなどを含むスピノサウルス類は大型肉食恐竜で、魚を常食にしていたと考えられていますが、ある種のものは翼竜も好物だったようです。
 そのことは翼竜化石の脊柱の椎骨の1つに、スピノサウルス類恐竜の歯が食い込んだ状態で発見されたことでわかりました。