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ヴォイニッチの科学書 今週の話題
  
2015年9月26日 Chapter-568 デニムの流行  

デニム生地はタテ糸をインディゴで染色し、染色加工をしていない横糸と綾織りにした綿の厚地織布のことですが、インディゴってなんでしょうか?  

インディゴは青色・藍色の染料のことですが、化学物質の名前でもあります。古くは紀元前から色素として知られていたようです。藍色に染められる天然色素は藍植物からとれるインディゴだけです。ですが、インディゴ物質を含む藍植物であるタデアイは藍色ではなく普通の緑色の植物です。  

緑色のタデアイからなぜ、藍色の染料が作れるのでしょうか?   タデエアイの葉のなかには,インジカンという物質が含まれています。インジカンは無色です。タデアイをすりつぶすと、細胞の中に含まれていた分解酵素で分解されてインドキシルになります。インドキシルもまだ無色の分子です。インドキシルは空気で酸化反応を起こして2つのインドキシルが結合したインディゴが形成されます。  

インディゴは水に溶けないのでそのままでは染色に使いにくいので、ヨーロッパでは化学反応、日本では微生物による発酵反応で水に溶けるロイコインディゴという黄色い分子に変換します。ロイコインディゴは水に溶けますが、空気中ではインディゴに戻ります。水に溶かした状態で染料として布を染め、布地をタンクから引き上げると分子は水に溶けないインディゴに戻るので、染まっていないロイコインディゴは分離してしまいます。この時、繊維の中にしみこんだロイコインディゴは繊維の中で水に溶けないインディゴに戻り、藍色になると同時に水洗いしても溶け出しにくくなります。  

ロイコインディゴは水に溶けるのですが、それには条件があってアルカリ性の時でなければ水に溶けません。酸性になると沈殿してしまいます。そこでヨーロッパでは、化学反応による工業生産が行われる前はインディゴを腐った尿に溶かしてアルカリ性にして溶かしていました。  

一方で、日本では尿は使わずに、微生物を使っていました。藍染めの発酵法はアルカリ性の環境下で活発に活動できる菌を使用しています。食品が発酵すると(腐ると)酸っぱくなることは経験的に知っていますが、このことは菌は基本的に酸を作るものとして産業利用されていました。アルカリ性で活動する微生物の有用性が知られるようになったのは1960年代以降のことですが、藍染めの世界ではそれよりはるかに前から職人はアルカリ性を好む微生物を活用していたのです。

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