開催日時　：　2015年7月26日（日曜日）　12時入場開始　13時開演　15時30分終演
会場　　　　：　阿佐ヶ谷LoftA （JR中央総武線阿佐ヶ谷駅近く）
テーマ　　　：　冴えないリンパの育て方
チケット  　：　ローソンチケットで7月3日（金）午前10時より発売開始
　　　　　　　　　【Lコード：36343】　2,100円　（当日 2,600円）　ともに飲食代別
物販　　　　：　あります　CD、トレカ、新製品は人工衛星の手作り本の予定
メイド　　　 ：　います
豊富な昼食メニューとお酒、ソフトドリンクを用意してお待ちしております。ランチを兼ねてご来場ください。

12:00　開場、チケット番号順（早く購入した順）に入場
　（開場時間に間に合わない方もチケットがあれば入場できます）
　お食事や物販、じゃんけんプレゼントなどで時間をお過ごしください
13:00　開演　
　Ａパート　冴えないリンパの育てかた
　　（休憩）
　Ｂパート　おまかせネタ
　Ｃパート　ご質問
15:30　閉演予定

（お知らせ）アーカイブに昨年夏の阿佐ヶ谷ダイナーヴォイニッチ「ご注文は人工衛星ですか？」を公開しました。



2015年6月13日　Chapter-554　マルチフェロイック物質  

一本の鉄の棒でもそれが磁石であれば片側がN、片側がSとなって物質の性質にかたよりが生じています。

磁石になる前の鉄の棒の中ではN極とS極の向きが秩序なくごちゃごちゃに混ざり合って、全体としてはNとSが打ち消し合ってしまい、どっちがNかSかを決められない状態になっています。鉄の中でS極とN極の向きが揃って秩序を作ったものが磁石です。

このように秩序が作られた状態のことをフェロイックといいます。

フェロイックな状態を生み出すのは磁気だけではなく、電気や弾性、つまり外から力を加えた時にできた変形をもとにもどそうとする力などでも見られます。 さらに、複数の異なる秩序が同時に成立している場合をマルチフェロイックと呼び、そのような性質を持つ物質のことをマルチフェロイック物質と呼びます。

マルチフェロイック物質は二種類の異なる性質の間、たとえば磁気と電気や外圧と電気のような特性同士が相互作用するので産業上の有用性が非常に高いと考えられています。ですが、そのような性質は目で見えないため、メカニズムの解明が難しく利用は進んでいませんでした。

ところが、最近の東北大学、青山学院大学、大阪大学の共同研究チームが、マルチフェロイック物質を電気と磁気で制御し、そのときの物質内部の様子を画像として観察することに世界で初めて成功しました。 研究に使われたマルチフェロイック物質は、特に近年注目を集めている電気と磁気の性質を兼ね備えたマルチフェロイック物質である「TbMnO3」です。

強い光を照射したときに起きる非線形光学効果という特殊な現象を用いてこの物質を観察し、性質が変化するときに何が起きているのかを写真撮影しました。その結果、マルチフェロイック物質の原子レベルの挙動を観察することができるようになり、これまで誰も知らなかったマルチフェロイック物質に特有な現象が明らかになりつつあります。

それらの新たな発見はプラス・マイナスを磁場で制御する新しいメモリ・ロジック素子の基礎原理へ応用するなどして、全く新しいナノスケールのエレクトロニクスへの展開が期待されます。