インターネット科学情報番組
このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。 [今週の Openig Talk] ■ [最近の放送]>>バックナンバー [この番組の担当は・・・]
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Chapter-72 太陽系誕生の謎に迫れ! 二〇〇五年一月にNASAが打ち上げた彗星探査機ディープインパクトの子機が同年七月四日のアメリカ独立記念日に見事テンペル第一彗星の核に自動操縦で衝突することに成功しました。 彗星は太陽系が星間ガスとチリの円盤から形作られた際に惑星として凝集できずに取り残された物質が核となっていますので、彗星の核を調べることによって今から四五億年前に太陽系が生まれたとき宇宙空間にはどのような物質が集まっていたのかを知ることができると考えられています。現時点ではおよそ五〇パーセントの水と一〇〜二〇パーセントの炭素の他に酸素、窒素、水素などが凍った化学物質の中に封じ込められた状態だと思われていますが、これまで詳細は謎のままになっています。 探査機ディープインパクトはフライバイ機(本体)とインパクター(子機)で構成され、衝突の二四時間前に分離された後、衝突の二時間前からは自動操縦で軌道を調整しながら飛行しました。大きさ一四キロメートル×四.六キロメートルのテンペル第一彗星の核に時速三万七〇〇〇キロメートルの相対速度で衝突し、突直前までインパクターに搭載されたカメラは彗星表面の様子を撮影し続け、表面のクレーターの詳細な状態が撮影され、その様子はインターネットを通じて世界に中継されました。また衝突後はフライバイ機が彗星に五〇〇キロメートルまで接近して衝突後のクレーターの状態を観測することになっています。 衝突直後彗星は明るく光り輝き、粉末状の物質で構成されている雲のようなものが放出されましたので、どうやら彗星の表面は海の砂よりも細かな粉末状物質で覆われているようです。誕生したクレーターは幅五〇〜二五〇メートルある巨大なものであろうと思われますが、詳細はまだわかっていません。詳細なデータは今後急ピッチで解析され、太陽系誕生の謎に迫るものと思われます |