【iPad アプリ発売開始】 【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 これまで、人類は異なる特徴を持つ犬を掛け合わせて、生まれた子犬の中から希望する特徴を最もよく受け継いだ子孫だけをさらに繁殖させ、進化の速度を自然の状態より早めてきました。たとえば、18〜19世紀のドイツのハンターはアナグマを狩るのが得意な犬が欲しいと思ったので、猟犬とテリアを掛け合わせてダックスフントを作りました。ダックスフントの特徴を考察してみましょう。一番の特徴は胴長短足ですが、これは獲物を追ってアナグマの巣穴に入るのに有利ですし、しなやかな皮膚はアナグマに噛みつかれても身を守ることができます。しっぽは長くて丈夫なので獲物に食らいついた犬をハンターが獲物もろとも巣穴から引っ張り出す時に使えます。そこでついた名前が、ダックスフント。ドイツ語で「アナグマを狩る犬」のことです。 同様の方法で、いろいろな犬が掛け合わせの繰り返しで作り出され、そのたびに犬の遺伝子には人為的な改変が加わっていきました。かつて研究者らはこのような掛け合わせの過程で犬の遺伝子はいちじるしく変化したものと思っていましたが、近年、犬科動物のゲノム解析が急速に進み、犬の見た目の大きな違いにもかかわらず、遺伝子はごくわずかしか変化していないことが分かりました。 米国のコーネル大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、国立衛生研究所の共同プロジェクトで、80種、900頭以上の家犬と、大陸オオカミやコヨーテなど野生のイヌ科動物のDNAを採取して比較解析が行われました。この研究によると、体の大きさや、毛の種類や長さ色などの身体的特徴はわずか50個ほどの"遺伝子スイッチ"で制御されているということです。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
|
Science-Podcast.jp
制作
このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
|