【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 血液型が疾患リスクと関連する、など、最近、血液型が人間の健康に関わっていることを示唆する発見が相次いでいます。1つは超低出生体重児の壊死性腸炎、もう1つは成人の脳卒中に関する検討です。メディカルトリビューン2011年11月30日の記事によると、この二つの疾患は全く異なる領域の疾患にもかかわらず、予後を左右する血液型について両研究ともほぼ同じ結論が示されているということです。 1つ目は米ロヨーラ大学医療センターのグループが報告した超低出生体重児の壊死性腸炎に関するものです。超低出生体重児の壊死性腸炎発症と赤血球輸血との関連を示すいくつかの報告によると、輸血療法は新生児集中治療室で日常的に行われている医療行為で、この場合新生児の血液型にかかわらず合併症を最小限にするために有効なO型Rhマイナスの輸血を行うのが一般的です。 1986〜2010年に超低出生体重児の壊死性腸炎と診断された新生児について、AB型の新生児では他の血液型の新生児に比べ死亡のリスクが2.87倍に上っていることがわかりました。 研究グループは超低出生体重児の壊死性腸炎の進展機序の1つに新生児の腸管粘膜における血液型別の抗原と胎内で受け継ぐ抗体の間で起こる液性免疫反応があるのではないかと考えています。 もう1つはハーバード公衆衛生大学院の研究者らによる報告で女性看護師6万1,973例、男性2万7,808例についての大規模調査でABO血液型と脳卒中リスクとの関連が見いだされました。 今回の調査の結果、B型の女性では他の血液型の女性に比べ脳卒中のリスクが17%高かったものの、男性では差がなかった。一方で、AB型の場合,男女とも虚血性脳卒中のリスクが29%上昇することが明らかになりました。高リスクが示唆される血液型の場合には他の危険因子を確認し、積極的な生活習慣改善を行うことが勧められると研究に参加した医師は述べています。
九州大健康科学センターの研究によると人が食べたものをおいしいと感じるとまぶたの血流が速くなり、逆に苦くてまずいと感じた時は鼻の血流が遅くなることを突き止めました。緊張すれば顔が赤くなるなど、気持ちの変化が血液の流れに影響を与えることは誰もが経験することですが、同様に味にも反応しているようです。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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