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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。 【ヴォイニッチの科学書 サイエンストークライブのお知らせ】 2017年4月15日(土) 16時開場、19時開演 阿佐ヶ谷ダイナーヴォイニッチ2017 冬春冬 テーマ:未定 神経伝達物質に関連した内容 会場:阿佐ヶ谷 LoftA (JR中央総武線阿佐ヶ谷駅近く) 2017年2月4日 Chapter-639 熱活性化遅延蛍光 大阪大学と英国ダラム大学の国際共同研究グループは刺激を与えるとその種類によって3色に変化して光る物質(=熱活性化遅延蛍光物質)の開発に成功しました。 「引っ張る」「圧力をかける」「こする」「加熱する」「溶剤蒸気にさらす」などを行うことによって光の色を変えることができます(下図)。 この熱活性化遅延蛍光物質はすぐにでも有機ELの材料として使用できますし、刺激の程度を光で表示するセンサーとして使用することもできそうです。 今回の発明のすごい点は一つの材料で3色に光の色が変化することです。熱活性化遅延蛍光分子は外部から刺激を加えると分子が変形して電子配置などの状態変化が起きるのですが、分子には最も安定な構造があり(下の図では「赤」の状態)何もしなければその状態にあります。ですが、分子の構造を工夫すると二番目に安定な状態や三番目に安定な状態も出現する可能性があります(下の図では「黄」や「橙」の状態)。このような分子の一部は構造的に最も安定な状態とその次に安定な状態の間での構造の変化によって光を発します。 これまで発見されていた熱活性化遅延蛍光物質は安定な状態が二種類しかないものばかりでしたので、光の色も二色の変化に限られていました。 複数の異なる色を発するマルチカラーな材料を作り出すことができれば、刺激による反応の(光の色の)バリエーションが増え、産業的価値はより高まります。 ですが、そのような分子を設計するに当たっては、一番安定な構造、二番目に安定な構造、三番目に安定な構造といった相互変換可能な複数の安定状態を生み出す必要があり、分子設計の難度が著しく高くなり、これまではそのような分子の設計に誰も成功していませんでした。 大阪大学などの国際研究チームはこの課題を解決するための研究を長年続けてきましたが、その集大成としてジベンゾフェナジン(前図の白い枠の中)という有機化学分子をベースにした、理論的には四種類の大きく異なる電子構造パターンに相互変換可能な分子を発明しました。 合成した化合物にさまざまな外部刺激を与えると、発光色が三色に変化するマルチカラー特性を示すことも確認されました。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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