インターネット科学情報番組



科学コミュニケーター 中西貴之
アシスタント BJ

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[今週の Openig Talk]

■マウスゲノムの70%は役目を持っていた・・・
 マウスゲノムのうち、タンパク質をコードしている部分は2%しかないことから、残りの98%はマウスの進化の過程で不要になったゲノムであると思われていました。しかし、日本の理化学研究所の研究チームはタンパク質を作らない領域も RNA には転写されており、この RNA が遺伝子発現の調節などの役目を担っていると発表しました。
 これはマウスのゲノムの70%は役目を持っているということになり、これまでの常識を覆すものです。

[最近の放送]>>バックナンバー  

Chapter-76 テザー衛星でスペースデブリを掃除する 
Chapter-75 ホエール・フォールの不思議な生態系 
Chapter-74 アクチビンによる発生分化 
Chapter-73 シリーズ人工衛星「スロッシュサット・フリーボ」 
Chapter-72 太陽系誕生の謎に迫れ・ディープインパクト
Chapter-71 オゾン層の現状
Chapter-70 刺さないミツバチの完成 
Chapter-69 量子テレポーテーション 
Chapter-68 究極の再生治療 他 
Chapter-67 慢性疲労症候群 
Chapter-66 3500年前のミイラ 
Chapter-65 炭酸飲料好きも遺伝子が決める  
Chapter-64 英語文法中枢   
Chapter-63 シリーズ人工衛星「JWST」     
Chapter-62 ヒトの脳の進化は特別な出来事だった 
Chapter-61 延命薬はできるのか? 
Chapter-60 天気が悪いと腰が痛い・・・は本当?
 
Chapter-59 宇宙ラーメン  
Chapter-58 最新の宇宙探索成果  
Chapter-57 犬ががん検診をする時代が来るかも  
Chapter-56 ドクターイエローのテクノロジー  
Chapter-55 タイムマシンを作る  
Chapter-54 青いバラ  
Chapter-53 夢でシミュレーションする私たち  
Chapter-52 超高速インターネット衛星 WINDS 
Chapter-51 ビールに放射線防護作用が  

[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

Chapter-77 人類の進化について 
2005年9月3日

今週の放送を聴くMP3をダウンロードする前回の放送次回の放送

 人類はチンパンジーやゴリラと共通の祖先から進化しました。共通の祖先からゴリラの祖先が別の進化をたどり始めたのが七〇〇万年前前後です。それからわずか一〇〇万年後の五〇〇〜六〇〇万年前に人類とチンパンジーが分岐しました。DNAの比較研究からもゴリラよりもチンパンジーの方がより人類に近いことが確認されています。

 その後、人類は猿人、原人、新人と進化を続けましたが、チンパンジーと分岐した直後の最古の人類はオルロリン属と呼ばれています。膝と腰を伸ばす二足歩行を始めたのは五〇〇万年前のラミダス猿人、もしくは四〇〇万年前のアナム猿人です。その後三〇〇万年程度は特に目立った進化上の分岐を示す化石は見つかっていません。その後、一〇〇万年前〜三〇〇万年前にかけて猿人は様々な分岐を経験します。現在化石として見つかっているのは一般にアウストラロピテクスとひとまとめに語られるアフリカヌス猿人、エチオピクス猿人とその進化形であるボイセイ猿人とロブストス猿人です。これらはいずれも一〇〇万年前までに絶滅したものと思われます。

 猿人から原人への進化は二〇〇万年前頃で、歯やアゴが小さく、大きな脳を持つことで特徴づけられます。人類が進化上最後の分岐を経験したのが二〇万年前で、私たちとは別の道を歩み始めたネアンデルタール人は石器の作成、火の使用、仲間の埋葬などの高度な知能や文化を持っていたものの約三万年前に絶滅しました。ネアンデルタール人が現代型ホモサピエンスの祖先であると考えられていたこともありましたが、現在はミトコンドリアDNA鑑定から完全に否定されています。

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