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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。 ■ポッドキャストアワード2006
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Chapter-124 しかし、近年、技術的に従来型の超音速旅客機の問題点を克服できる可能性が出てきたことから、ここ数年、急速に超音速旅客機実現への動きが広まってきています。 もちろん、これまでも潜在的に超音速機への期待はありました。 たとえば、日本に超音速旅客機が就航すれば、アジア全域は日帰り出張が可能となりますし、北米やヨーロッパの大部分の都市に6時間以内に到達することができるようになります。また、エコノミークラス症候群に代表されるような長時間の移動に伴う苦痛が緩和され、航空機の速度が速くなることによって、航空会社は少ない機材で航空輸送需要増大に対応できるようになります。また、災害派遣や臓器移植などの対応範囲が拡大されることも期待できます。 日本の動きとしては、経済産業省が2020年ごろまでに超音速輸送機の実用化を目標として掲げています。 超音速旅客機の開発において解決しなければならない最大の問題はソニックブームや騒音の問題であると考えられ、文部科学省では2012年度までにこの問題についての技術的解決を図りたい考えです。 ソニックブームというのは航空機が音速を超えて飛行する場合に、機体から衝撃波が発生し、それが地表に到達したときに2回の大きな爆発音となることで、場合によっては地上の建造物に被害を与えることもあります。そのため、コンコルドも海洋上空でのみ超音速飛行を行っていました。また、爆音についても、コンコルドが就航した当時は日本の航空会社も導入を検討していましたが、燃費に加え、離着陸時のすさまじい騒音のため、当時の主要国際空港である羽田に就航できないと判断した経緯があります。 これらについての研究はこれから行われるわけですが、現時点で JAXAは機体の形状を工夫し、エンジンを機体上部に機体の中に埋め込むような形で搭載することによってソニックブームと爆音を回避しようと考えているようです。 [最新科学おもしろ雑学帖で今回の番組関連する話題は] |