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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。 ■翔泳社”ポッドキャスティング入門”でオススメ番組として紹介されました。 [バックナンバー] [この番組の担当は・・・] |
Chapter-102 この研究ではコンピューターの画面に標的ライトを写しだし、2頭の雄のアカゲザルにそれを見せました。標的ライトは「安全標的ライト」と「リスク標的ライト」の2種類があり、どちらを選んでもご褒美にジュースが与えられます。ただし、「安全標的ライト」を選んだときにはいつもある一定量のジュースが与えられ、「リスク標的ライト」を選んだときには、ある時にはより多くのジュースが与えられますが、ある場合には「安全標的ライト」を選んだときよりも少ないジュースしか与えないことになっています。そうすると、サルは明らかに「リスク標的ライト」を選ぶようになります。 得られるジュースの期待値を「安全標的ライト」の方を大きくした場合、すなわち、トータルで考えると「リスク標的ライト」を選ぶと損をするような条件に設定してもサルは「リスク標的ライト」を選びました。これはサルがリスクを好んで選択していると考えることができます。 サルは一度でも「勝ち」を経験すると、その後はずっと「リスク標的ライト」を選ぶようになります。つまり、リスクを伴う選択で一度大勝ちすれば、その後得られるものが少なくても、次の大勝ちを期待してリスクを選び続けることがわかり、これは人間で言う脅迫的ギャンブラーの行動と一致するものでした。 このリスクを伴う選択を続けるときにサルの脳内はどのようになっているかを調べるために、報酬に関する情報処理を担っている後帯状回皮質に電極を挿入し、電気信号を取り出しました。その結果、この神経細胞の反応はサルの行動とパターンが一致していましたので、この領域がリスクの選択に関わっているらしいことが明らかになりましたが、リスク評価に関わる決定的な領域を特定したとまではいえませんでした。今後さらに研究を続けたならば人間におけるリスクの回避・選択の脳内メカニズムが解明できる可能性があります。 Science@NASA の2006年3月3日付ヘッドラインニュースによりますと木星に新しい赤斑が生まれたようです。 大赤斑も同様に小さな渦巻きが合体してできたと考えられていますが、こちらはすでに300年以上も赤いまま保たれています。これがなぜ赤いのかについてはまだ理由は分かっていません。大赤斑は巨大な台風であると言えますが、もちろん赤くはなりません。ただ、大赤斑は地球2個分もの大きさがある太陽系最大の猛烈な台風で、新しくできた赤斑もその勢力が大赤斑に匹敵するほど強くなったために色が赤くなっているのではないかと考えられます。
[エンディング・他局の科学番組放送予定] |