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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。 ■下関市立彦島図書館で「教科書が教えないホットな科学」講演会が開催されました (2006年7月22日) [バックナンバー] [この番組の担当は・・・] |
Chapter-118 埋蔵されている石油の69パーセントは中東にあり、国別にみるとサウジアラビアの21パーセントが抜きんでて、イラン、クウェート、アラブ首長国連邦、イラクがそれぞれ7〜10パーセントとなっています。アメリカ大陸やアフリカにもカナダを中心に大陸全体で31パーセント程度の埋蔵量がありますが、ヨーロッパやアジアにはほとんどありません。 石油資源がいつ枯渇するのかについては、ある年の消費量を元に概算しますが、世界情勢や原油価格によって大きく変動します。それでも、ここ10年程度は新しい油田の開発と消費のバランスがほぼとれていて、枯渇まで40年前後で続いていて、最新の2004年の予測では49年とされています。けれど、今から30年前の1976年には「2006年にすべての石油を掘り尽くしてしまう」とされていました。そのため、地球温暖化や大気汚染対策も考え合わせ新たな低コストで環境負荷の小さい合成液体燃料の開発が急務となっています。合成液体燃料は石油よりも埋蔵量の多い天然ガスやバイオマス、石炭などから新しい燃料を合成することで、現在検討されている新燃料には次のようなものがあります。 ジメチルエーテル このような現状において、ブラジルがこの植物系エタノールの大幅な増産に動いているようです。ブラジルはサトウキビの生産高では全世界の28パーセントを占めて一位です。2位はインドの22パーセント、3位は中国の6パーセントです。この実績を生かして、ブラジルはバイオ燃料を次世代の主力輸出産業として捉え、市場主導権を握ろうとしており、エタノールと原料のサトウキビ生産量をいずれも5年以内にほぼ倍増させる計画をたて、また、国内においてもエタノールを燃料とする自動車の購入に減税措置を導入したほか、エタノールのガソリンへの混入比率を20%に引き上げるなど、エタノールの国内利用を広げています。なお、現在のブラジルのバイオエタノール生産量は年間1600万キロリッターです。 そんな中、日本政府も2032年までにはガソリンにエタノールを10%混合させる方針を決めていますが、独立行政法人産業技術総合研究所が発行している広報誌、産総研TODAYの2006年7月号では「木材から軽油を連続合成する新しいプロセス」と題して、わが国で初めて、木材から軽油を連続的に合成することに成功したとの発表がありました。日本における国内生産に関しても従来燃料よりもコストが高いことが問題となりますが、木材を燃料プラントまで輸送するコストが大きいことに着目し、産総研では連続的合成プロセスがプラントをコンパクトにすることができる天を活用し、来年度にトラックに積載できる魂魄となプラントを製作し、さらに、現在1日に1.6リットルの規模をプロセスを最適化することによって生産効率の向上を行いたいとのことです。 [今回の番組関連する話題は] [エンディング・他局の科学番組放送予定] |