Chapter-84
第二次ロボットブーム
2005年11月5日
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[第二次ロボットブーム]
HONDAが二足歩行ヒューマノイド P2 を発表し、AIBOが初登場しサッカー大会ロボカップが初めて開催された1997年を第一次ロボットブームだとすると現在は第二次ロボットブームにあたるといえます。
当時の私たちの興味は二足歩行することの驚きや愛らしく振る舞うロボット犬への知的な興味が中心でしたが、現在私たちの関心はヒューマノイドがどのような形で私たちの生活の中に入ってくるのだろうか、という点に移ってきています。
なぜならばすでに私たちの身の回りには動物型ロボット、掃除機、エアコン、ビデオレコーダー などあらゆる物がロボットといって差し支えないほどの知能や機能を持っており、もし「次」を考えるならヒューマノイドしかあり得ないと多くの人が思っているからです。
しかし、現実には家庭内でヒューマノイドにビールを取ってこさせるにはまだ多くの乗り越えなければならない課題があります。そこで、最も現実的なヒューマノイドの活躍の場のひとつとして考えられているのがマネキンです。
受け付けロボットや警備ロボットは必ずしも人間の形をしている必要はありませんが、マネキンは人間の形をしていなければ意味がありません。しかも、歩き回ることは必須ではないので安全性の確保も容易であり、客の反応を見ながら世界のスーパーモデルの動きをシミュレーションするといった付加価値をつけることもできます。
また、ある研究者は家庭の中でのロボットは人間に対してどのような親密度・距離感でいるのがよいのかについて考えを巡らしています。私たちの身の回りにはペン、リモコン、ペット
など様々な物が人間と最適な距離を保って存在しています。テレビのリモコンが10メートル先にあっては意味がありません。テレビのリモコンは人間の30センチ先がベストポジションです。ネコがいつも30センチ前に座っていてはジャマです。ネコは人間の足もと1メートル先がベストポジションです。では、ロボットはどこにいればいいのでしょうか・・・。世界の先端を走る日本のヒューマノイド技術は実用化を目指し、人間の心とのコミュニケーションを考える時代に突入しているようです。
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