2011年2月12日 日本では、2001年のノーベル化学賞受賞者の野依博士を委員長とする世界化学年日本委員会のもと、さまざまな企画が立案されています。現在、市民講座や実験ショーが催される予定のほか、キュリー夫人のノーベル賞から100年にちなんだイベントとして、小中学生を対象とした「キュリー夫人科学伝記読書感想文コンクール」が企画されています。その他、日本化学会をはじめ多くの化学系学協会がそれぞれの記念企画を実行することになっています。また、米国化学会や英国王立化学会など世界各国の化学会に加え、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アフリカの地域化学連合がそれぞれ「世界化学年」の行事を独自に企画立案しています。 また、組織的な取組みだけでなく、個人レベルでも「世界化学年」に参加できるシステム「IYCネットワーク」が整備されていて、「世界化学年」のホームページには、すでにいくつもの企画のアイデアが書き込まれています。いくつかピックアップしてみると、"ポリマーのない世界"を想像してみるエッセイ・ビデオを募るコンテスト企画や、周期表を使ったパズルを競う呼び掛けなど、ユニークなものが多数あります。入力は英語に限られますが、日本からも多くの学生や化学者が「個人企画」を投稿したり、「化学に対する思い」を発信したりするなど、ネットワークを通した国際的な活動への直接参加が期待されています。 現在、人類社会は、地球上における資源の不足・枯渇、エネルギー問題、気候変動や環境劣化、水や食料問題、医療・健康・安全、新興・再興感染症などをはじめとするさまざまな地球規模の問題に直面しています。それらの解決に向けて、科学・技術に対する期待はますます大きく、問題の多くには化学の貢献が求められています。「世界化学年」を通して、化学の一層の振興と社会への幅広い普及・啓発が進み、わが国でも科学・技術が一層振興して、持続可能な社会を支える人材の育成と増進が図られ、2011年がわが国の力強い将来に貢献する、輝く「化学の年」となることを願います。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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