2011年1月15日 コンピューターのCPUとメモリの両者が微細化・高性能化が全体の性能を底上げしてきましたが、演算回路と記憶回路が独立したノイマン型と呼ばれる現在のコンピューターでは、演算回路と記憶回路間の信号伝達がボトルネックとなり、演算素子や記憶素子の高性能化をはかっても、コンピューターとしての高性能化をはかれないという状況になりつつあります。これを打開する方法として、演算と記憶を同一回路内で行う不揮発ロジック回路という新しいコンピューター回路が提案・研究開発されています。けれど既存の部品による不揮発ロジック回路の実用化にはその消費電力の大幅な低減が必要となっていました。 今回開発されたトランジスタは極めて少ない原子の移動によってオン/オフ動作が可能なため、消費電力は限りなくゼロに近くなります。具体的には記憶素子動作時の消費電力は現在の素子の100
万分の1、演算素子として動作している時の消費電力も、半導体トランジスタの100 分の1 になっています。さらに、構造が簡単で、現在の半導体素子製造設備と似た方法で生産ができることなどの特徴があります。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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