2011年2月19日 ヒトを含む多くの動物が、集団あるいは社会を形成し、その中で生活を営んでいます。そこで、どのように行動することが適切かを判断し、それを実行するためには、自分自身の行動に加え、他者の行動に注意を払い、他者の行動をよく理解することが重要です。その重要性は「人の振り見て我が振り直せ」という故事があることからもわかります。 今回、研究チームは、2頭のニホンザルを同時に用いた、役割交替課題という実験を考案し、この課題を実行しているサルの前頭葉内側領域の神経細胞活動状況をモニターしました。その結果、862個の神経細胞のうち、約16%にあたる138個の細胞が、相手のサルの行動に対してだけ反応することがわかりましたさらにこの神経細胞は、ミラーニューロンや、自分か行動する際に反応する神経細胞と混在していることもわかりました。これらの結果は、前頭葉内側領域が他者の動作と自己の動作の区別に重要であること、また他者の動作と自己の動作が、各神経細胞のレベルで機能していることを示しています。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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