【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
2013年4月20日

Chapter-441 シェールガスとメタンハイドレート   

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 シェールガスは非在来型天然ガスと呼ばれますが、その起源はその他の化石燃料同様に1億数千万年前の藻やプランクトンなどの有機物です。従って成分や燃えやすさは在来型の液化天然ガスと同様です。在来型化石燃料との最大の違いは存在している地下環境と採掘方法です。在来型の化石燃料は隙間の多い岩石の貯留槽という取り出しやすい場所に集積していますので、地下に穴を開けると自然に吹き出してきます。一方でシェールガスはガスが流れにくい岩石に残留していたり吸着していたりするため、普通に穴を開けただけでは出てきません。従って、採掘は非常に困難で、岩石内の流れやすさを改善してしみこんでいるシェールガスを回収するための特殊な技術の開発が障壁となってこれまでほとんど利用されていませんでした。

 けれど、米国には採掘可能なシェールガスが米国の消費量の60年分相当量埋蔵されています。これだけではなく、現在の技術では採掘が難しいものの、将来的さらに新しい技術が開発されれば利用可能になるかもしれないシェールガスがこのほかに220年分も埋蔵されていることも調査の結果わかっています。

 シェールガスを採掘するにはそれらを含む砂岩の層の地下2000メートル以上まで垂直にパイプをおろし、砂岩層に到達したらそこから水平方向に何キロメートルもパイプを伸ばします。そうした状態でパイプの中に水や砂、化学物質を含むフラクチャリング流体と呼ばれる液体を注入し砂岩に高い水圧をかけることによって周辺の砂岩に亀裂をつくり、その亀裂からしみ出してくるシェールガスを回収します。

 かつてシェールガスの採掘は地下水の汚染などの原因になるのではないかといわれていた時代もありましたが、現在の技術で正しく採掘を行えばシェールガスと地下水は存在している地下の深さが1キロメートル以上の異なるため、環境を破壊する恐れはないとされています。ただし、コストを削減するため、あるいは技術の未熟な企業が採掘を行うことによって地下水や生態系が悪影響を受ける可能性は否定できないという問題も依然として抱えています。

 それでもアメリカで開発された技術はカナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、中国などの各国に導入され、世界中でシェールガスの採掘が始まっています。
 

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(東京)2013年7月13日(土)19時 阿佐ヶ谷ダイナー・ヴォイニッチ 阿佐ヶ谷Loft A
(下関)2013年8月10日(土)10時30分 下関市生涯学習プラザドリーム・シップ
(周南)詳細未定 2013年秋
(大分)2013年9月 学生さん向け行事です。
(東京)2013年11月 サイエンスアゴラ2013(未定)


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[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 島生まれの島育ち
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

 


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