【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 たとえばいつの間にかクツがなくなっていたり、テーブルの上に置いておいたはずの食べ物がなくなっていたり。基本的にはイヌを飼うときには飼い主はしつけようとしますので、してはいけないことをしたときには叱ります。それを繰り返すうちにイヌの側もいろいろなことを覚えてお行儀良くなるのですが、どうもイギリス、ポーツマス大学の最近の研究によるとイヌには陰ひなたというか、裏表があるらしいのです。 イヌに食べ物を勝手に取って食べないように命令したとき、部屋が暗いと、その命令に従わない可能性が高くなるという研究結果があります。 その実験は84匹の大人のイヌを使って行われました。これらのイヌはいずれも食欲があり、知らない人と暗い部屋を怖がらないことをあらかじめ確認してあります。次に、研究チームは実験用の照明が調整できる部屋を用意し、人がそこに入り、床の食べ物を食べないようイヌに命じました。この命令実験を、部屋が明るい状態から暗い状態まで、さまざまな光の条件で繰り返しました。 すると、イヌが食べ物を盗み食いする確率は部屋が暗い時が4倍も高かったのです。イヌから人間が見えているかどうかはあまり関係がないようで、食べ物が明るい場所にあるかどうかでイヌの行動が変わるようでした。このことは、自分が食べ物に近づく姿が人間に見えるかどうかに基づいてイヌが判断していることを示唆しています。さらに解釈すると、イヌは他人には自分とは異なる視点、知識、および感覚がある、つまり人間から自分がどう見えているのかを推測できる能力を持っている可能性があります。これまで、このような人間のような能力はチンパンジーなどのサルがぎりぎり持っているかもしれない程度に推定されていたので、イヌを使った知能の実験が行われ始めたのはこの15年程度のことだそうです。ですが、今では動物認知の研究者はイヌが、模倣、問題解決などを行える能力を持つことに注目しています。 (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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