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【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
2012年12月29日
Chapter-425 2012年総集編 世界が驚いた日本の材料科学
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独立行政法人海洋研究開発機構が民間企業と協力して、水深4000mの高圧環境下で使用可能な高分子樹脂系表面処理剤及びそのコーティング方法を開発しました。次世代の深海用機器への搭載を目指しています。4000メートルも潜る深海用機器は非常に高い水圧に耐えなければならないため、機器の表面をコーティングする材料として高分子樹脂とカーボンナノチューブの複合材料を開発したと言うことです。
現在、耐圧容器に良く使用されているのはアルミニウム系材料に表面処理を施したものですが、柔軟性が弱いため深海での繰り返し使用による膨張と収縮によって亀裂が入ったりするなどの問題を抱えています。そこで、いろいろな代替材料の研究をした結果たどり着いたのがカーボンナノチューブだったと言うことです。
カーボンナノチューブは炭素だけでできた新規な構造体ですが、グラフェンも同様です。カーボンナノチューブは中が空洞のホースのような構造ですが、グラフェンは炭素だけできた原子1個分の厚さしかないシートです。グラフェンは透明でかつ電導性という、最新のガジェットにいろいろと使えそうな性質を持っている材料です。東北大学の研究者らがグラフェンを使ってナノスケールのサンドイッチを作りました。具材はカルシウムです。
このようなグラフェンの間に元素を挟んだ物質を作ったのは世界で初めてとのことなのですが、黒鉛のシートの間にカルシウムのような金属元素を挟んだ材料はすでに電極などで実用化されていて、低温で電気抵抗がゼロになる性質を持ちます。黒鉛を極限まで薄くしたのがグラフェンですので、同様の現象が再現できるとすれば、金属元素の出入りが黒鉛よりもはるかに高速・高効率で行うことができるはずですので、超高性能なマイクロバッテリーや電気抵抗ゼロの電子デバイスに応用できる技術です。
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【次回のトークライブ】
DREAM SHIP Science Talk Live
教科書が教えないホットな科学の講演会32
「(未定)」
2013年1月12日(土)10時30分〜11時30分
DREAM SHIP 下関市生涯学習プラザ 1階音楽練習室(山口県下関市)
入場無料・事前申し込み不要
会場地図
ダイナー・ヴォイニッチ 2013春
2012年3月16日(土) 夜
東京・阿佐ヶ谷 Loft A
詳細は開催が近くなりましたらお知らせいたします。
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