【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
2013年3月30日
Chapter-438 宇宙マイクロ波背景放射の最新データ公開
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宇宙は「宇宙マイクロ波背景放射」という熱で満たされています。これは、宇宙誕生時の名残を伝える微弱なマイクロ波です。CMBと略されることもあります。宇宙マイクロ波背景放射は、宇宙誕生の38万年後に宇宙を満たした光が、宇宙の膨張と共に波長が伸びて現在マイクロ波として観測されるもので、誕生直後の宇宙に存在したわずかな密度のムラが反映されています。誕生直後の宇宙にあったムラがその後誕生する恒星や銀河などのタネとなったと考えられています。
宇宙マイクロ波背景放射はまずNASAのCMB観測衛星「COBE」によって全体像が明らかにされ、その後継機の「WMAP」によってかなり高い精度で宇宙のムラが描き出されました。今回、2009年に打ち上げられた欧州の天文衛星「プランク」が先行した二機を遙かに上回る最高精度で1年間にわたり観測した全天マップが発表されました。
今回の観測結果は、全体としてCOMEとWMAPによる発見をさらに裏付ける内容となっていますが、これまでの宇宙の成長モデルでは説明できないデータも含まれていて、今後それらのモデルを実際の観測データとつじつま合わせすることによってより真実に近いモデルの構築ができるものと思われます。
また高精度な観測により、宇宙全体に関する様々なパラメーターも精度が向上しています。たとえば、宇宙の年齢はこれまで137億年と言われていましたが、1億年古い138億年となりました。宇宙膨張の加速を示すハッブル定数は、67.15±1.2km/秒/Mpc、つまり、約326万光年離れるごとに膨張速度が秒速67.15km大きくなるという値に修正され、これまでより宇宙の膨張速度は少し遅くなりました。、それと関連するのですが、これまでの見積もりよりもダークエネルギーは少し少なくなって、ダークマターが少し増えました。
「プランク」の膨大なデータはさらに解析が続けられ、最終報告は2014年の予定です。
COBE
WMAP
プランク
【次回 阿佐ヶ谷ダイナー・ヴォイニッチは 2013年7月13日に阿佐ヶ谷Loft Aで開催決定】
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