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【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
2013年2月23日
Chapter-433 意外とわかっていなかった眠い時に脳の機能が低下するメカニズム
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眠くなるといろいろなものを見落としたり、素早い反応ができなくなったりしますが、脳科学的には見えているものが同じなのになぜそういう反応の違いが起きるのかについては解明されていませんでした。
九州大学医学研究院の研究者らがはっきり目覚めている時と少しウトウトしている時に、機能的磁気共鳴画像(fMRI)と脳波を同時に計測して、それぞれの状態で脳の中で情報が伝達される効率を解析しました。その結果、何もせずぼんやりしている時でも脳では複数の領域が協調しながら活動して情報をやりとりして、ウトウトし始めるとこれらの脳の中での情報伝達の効率が落ちることが明らかになりました。
ボンヤリしているときでも脳の領域感で活発な情報のやりとりが行われて何をしているのかについてはまだよくわかっていませんが、短期記憶の整理や、いざ刺激が入ってきた時に、脳内で素早く正確に情報の受渡しをするために重要な役割をしていると考えられています。今回の研究の着目点はfMRIを使って、ウトウトした状態でこのネットワークがどうなるのかを調べた点にあります。けれど、fMRIでは、脳の状態を計測している実験ボランティアがはっきり目覚めているのか、眠たいのかを知ることができません。というか、生きているのか死んでいるのかさえも判断は困難です。そこで、特別な脳波計測装置を用いて、fMRIと同時に脳波を計測し、はっきり目覚めている状態とウトウトしている状態を判定してfMRIのデータと紐付けした点に新しさがあります。
さらに、脳全体を3,780ヶ所の小さい領域に分割して、fMRIのデータからどの領域とどの領域が連鎖的に反応するのかを測定し、脳全体のネットワークのつながり方を数値解析して情報伝達の効率を算出しました。
その結果、ウトウトした状態ではネットワークの情報伝達効率が低下していること、さらに、「意識」との関連が深いとされる、前頭連合野・頭頂連合野で特に情報伝達効率が低下していることも分かって、このことがウトウト状態では、脳内のネットワークのつながり方が変化し、素早く正確な情報の受渡しができにくい状態になっているようです。この発見はfMRIの中でも正確に脳波を測定できる特殊な脳波計の開発に成功したことがブレイクスルーとなりました。
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