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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。 2017年3月18日 第645回 ARでどこまでいけるか もし劇場版「ソードアート・オンライン−オーディナル・スケール−」をご覧になった方がおられれば、劇中でしばしばARとVRの違いに関する話題が出てきた事を覚えておられるかと思います。両者の特徴をまとめると・・・ ・ARは拡張現実 ・VRは仮想現実 ・ARは「電脳コイル」 ・VRは「サマーレッスン」 ・ARはリアル空間に映像を重ねて見ているだけなので副作用の心配がない ・VRはあらゆる感覚をすべて乗っ取るので いろいろと副作用が多い ・ARは日常生活に違和感なく取り入れる事ができるが逆に体験するためにはリアルにその場に行かなければならない ・VRはある特定の(装置がある)場所ですべての空間再現が可能 ということでした。 宇都宮大学の研究チームは、何も持っていなくてもあたかもボールを持っているかのような感覚が味わえるAR拡張現実技術を開発したと発表しました。ヘッドマウントディスプレー(HMD)にボールをつかんでいる映像を見せて触っているような疑似感覚を作る出すことに成功したものです。 ここで使用されている技術は視覚と触覚に矛盾があった場合、視覚につられて触覚の方を脳が勝手に修正する「疑似触覚」と呼ぶ現象の応用です。新技術では、ステレオカメラによって利用者の手の位置を検出し、実際には何も持っていない利用者の手の動きに合わせて、ボールを持っている映像を合成し、ヘッドマウントディスプレーに映しだします。 利用者にボールを人さし指と親指でつまむよう指示すると、実際には何もない空間で指を動かしているだけですが、利用者が見ている映像ではあらかじめ設定した硬さのボールをつまんでいるかのように映し出されます。 実験ボランティア男女5人ずつに柔らかいボールや固いボールの映像を複数回見てもらって感触の違いを尋ねたところ、非常に高い確率で現実と同じ感覚をARの中で感じたとの回答が戻ってきました。 この技術を使えば、キャラクターに触れた時の感触を味わったり、ボールをやり取りしたりする時の衝撃感を味わうゲームに応用できそうです。 従来の仮想触覚は感覚を作り出す装置を持たせ、その装置が振動したり形が変わったりして擬似的に感覚を作り出していましたが、この方法では何も持たずに感覚が再現できます。ただ、従来の感覚再現方法であれば疑似触覚は実際に手の圧力や温度を感じる細胞を刺激するわけですが、この新たな方法では神経細胞の刺激は行われず、ボールを持った感覚は過去に経験した感覚が脳から映像をトリガーに引っ張り出されている可能性があります。では、触った事のないものの感触の再現というのはどうなるのでしょうか。つまり、ARにしてもVRにしても実際に経験した事のないものを脳の刺激で再現することができるか、という深い問題提起につながります。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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