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Chapter-88 惑星探査機が謎の減速 惑星探査機パイオニアの飛行速度が謎の力によって遅くなっていることがわかりました。 パイオニアは1972年10月に打ち上げられた10号と、1973年に打ち上げられた11号がすでに冥王星の軌道の外へ飛び出し現在も太陽系とその外側の宇宙空間の観測を続けながら時速約4万キロで飛行を続けていますが、アメリカジェット推進研究所の天文学者が最近、探査機からのデータを1980年代までさかのぼって調べたところ、10号、11号いずれも飛行速度が次第に低下し、現在は当初予定されていた年間飛行距離よりも実際に飛行できる距離が1万3000キロも短くなっていることを発見しました。 今のところこの現象を説明することができるようなデータは見つかっていませんが、次のような仮説が立てられています。 ・探査機に異常が発生し、探査機からのガスの流出などでブレーキがかかっている これらはいずれもデータの裏付けのない仮説ですが、パイオニアを減速させる力がどの方向から加わっているかがわかれば、その原因も突き止められるのではないかと考えられています。 すなわち、パイオニアに働く力が太陽の方向に向いていれば重力の影響ですし、地球の方向に向いていれば光の速度にまつわる問題、探査機の運動方向と力の方向が同じならば引力か慣性の問題で、探査機の自転軸に沿っていれば探査機自身の問題というわけです。 現在は、パイオニアがより地球に近い位置を飛行していた頃のデータや、木星付近を地球に対して直角方向に飛行していた頃のデータなどを使ってその詳細が解析されようとしています。 ところで、パイオニア問題以前からニュートン力学は実体とずれていて、それを補正する考え方として修正ニュートン力学というものがありました。もともとは回転する銀河がバラバラに散らばらない理由を説明するための学問でしたが、修正ニュートン力学に相対性理論を加味することによってパイオニアの挙動が説明できるという研究者も現れました。 [その他の今週の話題] 探査機「はやぶさ」試料採取は失敗の可能性大 「かに星雲」の鮮明写真、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 http://hubblesite.org/gallery/album/entire_collection/pr2005037a/ 理科大好きでも科学者イヤ 中3男子56%・女子81% |