Science-Podcast.jp 制作

ライブ & MP3オンデマンド & ポッドキャスト
世界初の日本語科学情報 PODCAST 番組



科学コミュニケーター 中西貴之(メール
アシスタント BJ

ヴォイニッチの科学書は
あなたの心に科学の火を灯します。

トップページ番組コンセプトバックナンバー

ヴォイニッチの科学書・ブログ版

ヴォイニッチの科学書プレミアム
バックナンバーの目次を紹介

 「ヴォイニッチの科学書」のダウンロード・ストリーミング再生は無料です。お気軽におためし下さい。
 まぐまぐプレミアム版「ヴォイニッチの科学書プレミアム」のみ月額制の有料コンテンツです。登録月の月末までは無料ですので、こちらもよろしければお試し下さい。

まぐまぐプレミアムはじめました

本も書いてます




中西貴之/著

ネット上の書店で検索していただくか、お近くの書店カウンターでお問い合わせ下さい。くりらじ直営の「Amadion」でも販売しています。

 先週は
  総聴取数 70,145 名様 (バックナンバー含む)
  内、RSS. iTunes からのアクセス 51,121 名様

 先週も大勢の方に聴いていただきました。
 ありがとうございました。



 このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
 「ヴォイニッチの科学書」では毎週最新の科学情報をわかりやすく解説しています。番組コンセプトはこちらをご覧ください。>>クリック 

番組はいろいろな方法で聴くことができます。

□くりらじで聴く
 くりらじ(http://www.c-radio.net/)の「ヴォイニッチの科学書」をクリックしてください。ファイルは Real と MP3 がお選びいただけます。

□ポッドキャストナビで聴く
 ポッドキャストのポータルサイト「PODCAST navi」からも配信しています。「くりらじ」のページをご覧下さい。>>ジャンプ 

□iTunes で聴く
 iTunes をお使いの方はウインドウ右上の検索窓に「くりらじ」と入力して検索してください。

■アストロアーツ社刊「星ナビ」2007年2月号で紹介されました(2007年1月)
■「最新科学おもしろ雑学帖」が愛媛県の新居浜工業高等専門学校で読書感想文コンクールの課題図書に選ばれました (2006年9月)
ポッドキャストアワード2006 で第一次審査を通過しました。
■下関市立彦島図書館で「教科書が教えないホットな科学」講演会が開催されました (2006年7月22日)
■地元紙「山口新聞」で「最新科学おもしろ雑学帖」が紹介されました (2006年7月19日)
■iTunesミュージックストア Podcast部門で全 Podcast番組中第2位の聴取数となりました (2006年7月3日)
■ABCラジオ「おはようパーソナリティ 道上洋三です」特集コーナーで書籍が紹介されました (2006年6月16日)
■地元地方紙「宇部日報」で書籍が紹介されました (2006年6月8日付)
■「最新科学おもしろ雑学帖」が、Amazon.co.jp 売り上げランキング「本で 888位」になりました。(2006年4月9日付)
■翔泳社”ポッドキャスティング入門”でオススメ番組として紹介されました。
■ソフトバンクバブリッシングの雑誌「ねっため」2005年11月12月合併号でネットラジオおすすめ番組として紹介されました。
■JNN九州・沖縄・山口のブロックネットで放送されているドキュメンタリーテレビ番組「ムーブ2005」で紹介されました。>>紹介ページ
■ポッドキャストのポータルサイト「PODCAST navi」の科学カテゴリー BEST HITS 10 にランクイン継続中です。
■iTunes ミュージックストア PODCAST 科学ジャンルで Today's トップ Podcasts にランクイン継続中です。

[バックナンバー]
   
Chapter-142 銀河の中心にある巨大ブラックホールの正体
Chapter-141 生命体の細胞内部の構造を保つ新たな仕組みを発見
Chapter-140 サイエンスニュースフラッシュ 2006年12月 
Chapter-139 「ひので」搭載可視光・磁場望遠鏡の初期成果
Chapter-138 サイエンスニュースフラッシュ 2006年11月 
Chapter-137 宇宙日傘 
Chapter-136 ヴォイニッチの科学書流「クマムシ!?」 
Chapter-135 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-134 DNAの分解異常による関節リウマチ発症 
Chapter-133 脳の機能・太陽系外惑星 
Chapter-132 ノーベル物理学賞 
Chapter-131 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-130 RNAi 
Chapter-129 遺伝子組み換え低アレルギーネコ・コルクでできたような巨大惑星 
Chapter-128 飲酒が身体に与える影響 
Chapter-127 冥王星 
Chapter-126 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-125 科学技術振興機構(JST)が腹時計を発見 
Chapter-124 次世代超音速機技術の研究開発 
Chapter-123 災害現場で日本製ロボットが活躍する姿を早くみたい!! 
Chapter-122 アルツハイマー病に挑む 
Chapter-121 織り姫はぐりんぐりん 
Chapter-120 サイエンスニュースフラッシュ 
Chapter-119 広い宇宙に地球人しか見あたらない50の理由の中の10の理由 
Chapter-118 次世代燃料 
Chapter-117 熱中症・脳は自分の身体に起きる時系列の変化を予測している 
Chaoter-116 局所銀河団・植物の体内時計 


>> 「Mowton(放送終了)」はこちら

[この番組の担当は・・・]

ナビゲーター 中西貴之 obio@c-radio.net
 1965年生まれ
 応用微生物学専攻
 現在化学メーカーの研究所勤務
 所属学会 日本質量分析学会 他
 日本科学技術ジャーナリスト会議会員

ナビゲーター BJ
 インターネット放送局くりらじ局長

Chapter-143 宇宙の暗黒物質の空間分布を初めて測定

今回の放送を聴く

2007年1月13日 (前回の放送次回の放送

 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのマーガレット・ゲラーとジョン・ハクラらは、膨大な数の銀河の座標を三次元グラフ上にプロットする地道な作業によって宇宙の中ではたくさんの銀河が泡状の大規模構造を作って分布していることを1986年にらが発見しました。

この構造は、宇宙初期に生じた密度の小さな揺らぎが少しずつ成長して、137億年余の時間をかけて進化したと考えられています。

 その際、目に見える物質の揺らぎだけで現在の宇宙の構造を作り出すには宇宙の年齢よりも多くの時間がかかる計算になることがわかり、今の技術では観測できいないダークマター(暗黒物質)があり、その密度の揺らぎの中で銀河が誕生したというアイデアが提唱されました。そこで、私たちが直接観測できないダークマターは、実際の宇宙の中では、どのように分布していおり、銀河の形成にどのように関わったのかを解明するためにCOSMOSプロジェクトが立案されました。COSMOSはCosmic Evolution Survey(宇宙進化サーベイ)の略でカリフォルニア工科大学のニック・スコビル博士を中心に世界各国から約70名の科学者が集まる国際的な共同研究です。

 COSMOSプロジェクトにはハッブル宇宙望遠鏡と日本のすばる望遠鏡が使用されました。ハッブル宇宙望遠鏡は2平方度(満月を並べると3×3=9個もすっぽり入ってしまう広さ)の視野の天域を高性能サーベイカメラで撮像観測を行い、観測した領域に含まれる約50万個の銀河の形態を詳細に調べ、「重力レンズ効果」と呼ばれる手法を用いて、視野内のダークマターの分布を調べました。ダークマターは巨大な質量を持っていると思われますので、ある場所に質量を持つ物質がより集中して分布していると、相対論的効果によって背景の天体の像にゆがみ、すなわち重力レンズ効果が生じます。生じた重力レンズ効果の程度によって、そこにどれだけの質量があるのかを推定できます。

 一方、国立天文台すばる望遠鏡を用いて、解析に用いられた約50万個の銀河の赤方偏移を測定し、距離を推定しました。この結果をハッブル宇宙望遠鏡の結果と合わせて解析すると、重力レンズ現象を引き起こしているダークマターの距離が推定できます。これにより、ダークマターの3次元的な空間分布を世界で始めて明らかにすることができ、ダークマターもまた、大規模構造を形成していることが、明らかになりました。


COSMOS天域で得られた、暗黒物質(ダークマター)の空間分布。天の川銀河からの距離は上から下に行くほど大きくなり、一番下までの距離は約80億光年。( (Richard Massey et al.)

 そして、これを、銀河の3次元分布と重ね合わせると、それらはほぼ一致しており、銀河はまさにダークマターの作る大規模構造の中に分布していることがわかりました。


COSMOS天域で得られた、暗黒物質(ダークマター)の2次元分布(青色に等高線付きで示されている)と通常の物質(バリオン)の2次元分布(赤色で示されいる)。2次元分布とは、天球面に投影した分布を意味する(Richard Massey et al.)。

 今回の観測で「ダークマターの作る大規模構造の中で、銀河が形成され、進化してきた」というシナリオが観測的に検証されたことになります。

 宇宙の暗黒物質(ダークマター)については、「最新科学おもしろ雑学帖」の21番にまとめてありますので、本をお持ちの方はあわせて読んでおいてください。 ニュートンプレス発行の「ニュートン別冊 宇宙創造と惑星の誕生」にもダークマターについて書かれています。

 重力レンズ効果については29番にまとめてあるのですが、本に書いたのは強い重力レンズ効果と呼ばれるより一般的な重力レンズ効果です。COSMOSで採用されたのは弱い重力レンズ効果と呼ばれるものです。それは銀河団などの顕著な構造がなくても、銀河が適当に集団化していると、その背景にある銀河から放射される電磁波は弱いながらも重力レンズ効果を受けます。


[他局の科学番組放送予定]

ディスカバリーチャンネル
 1/29 21:00〜 イブの遺伝子
 人類の誕生は、どのように始まったのだろう?今日のように地球上に様々な人種が住むに至るまで、どんな経過をたどったのだろう?現代の全人類のミトコンドリアDNAをたどると、皆、約14万年前の東アフリカの女性にたどり着くというのだ。人類の共通の母「イブ」の発見は、世界を揺るがした。更にDNA研究を進めていくうちに、そうした人類の祖先の数人が、約8万年前アフリカを離れ、様々な自然災害の危険に遭いながら移住し、今日のように人類が世界中に住むようになったのだという。

サイエンスチャンネル (SkyPerfecTV 765ch)
 1/14〜21 毎日19:00〜 未知なる生命・ヒト
私たちヒトは、様々な経験を重ねながら、幼児から多感な思春期を過ごし、大人と呼ばれる成人となり、更年期、そして命の終わりを迎える。本シリーズでは、私たちヒトという生き物が、どのように一生を過ごすかを多様な観点から見つめ、命の神秘に迫る。
 インターネット放送はありませんので、スカイパーフェクTVでご覧下さい。

サイエンスゼロ (NHK教育 毎週土曜日 19:00〜)
 1/13 人間型ロボットヒューマノイドの挑戦
 1/20 驚きの冬眠パワーを医療に生かせ

地球ドラマチィック (NHK教育 毎週水曜日 19:00〜)
 1/17 パンダ誕生!〜アメリカ・スミソニアン動物園〜
2005年7月、アメリカ・ワシントンDCにあるスミソニアン動物園で、ジャイアントパンダの赤ちゃんが生まれました。番組では、中国から両親のパンダがやってきた2000年から、赤ちゃんパンダが生後100日になるまでを追いかけます。生まれる瞬間の貴重な映像や成長していく愛らしい様子なども多数紹介。

素敵な宇宙船地球号 (テレビ朝日系 毎週日曜日 23:00〜)
 1/14 東京ふしぎ水探検 〜地下水が巨大都市を救う〜
 東京で、今、信じられない光景を目にすることがあります。高速道路の下の排水溝には、地下水が湧き出し、沢ガ二が棲み、新宿の大通りでは、井戸が住民の生活に使われています。東京にはなぜ、こんなに多くの地下水が流れているのでしょうか?秘密を解く鍵を握っているのが、東京の西部を流れる多摩川です。…
 



↓こちらもご利用下さい↓