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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。 2017年4月1日 第647回 脳のスピードメーター細胞 ラットには速く走れば走るほど活性化する脳の神経細胞があることが発見され、科学者はこの細胞のことをスピードメーター細胞と呼んでいます。一方で、脳の中には自分の現在地や過去に通った場所を認識するナビゲーション細胞があることが2005年に発見され、2014年にノーベル生理学医学賞を受賞しました。今回発見されたスピードメーター細胞はその脳内ナビゲーションシステムの一部だと考えられています。 脳はナビゲーションシステムからの情報を統合して脳の中に地図を作製し自分の居場所を把握していますが、ここにスピードメーター細胞からの移動情報を加えて脳内地図をリアルタイムに更新しているようです。 脳の中に電極を埋め込んだラットが何か行動をするとき、同時に反応した神経細胞を検出することによって、脳のどの部分がラットのどのような行動と関係しているかを結びつける研究が行われてきました。ですが、これまでの装置は感度が低かったので大量の細胞のかたまり、つまり「なんとなく脳のこのあたりが関係していそう」というレベルでしか調べることができませんでした。その後電極の検出感度が大きく向上して、今では1個ずつの細胞をピンポイントで測定することができるようになりました。 そのような高性能な電極を装着したラットを線路の上を走る電車のような箱に乗せます。この電車には床がないので、電車が走るとラットもそれにあわせて自分も走らなければなりません。ラットが率先して走るように、ゴール地点にはチョコレートがあることをあらかじめしつけしておきます。 ラットを走らせる実験を2000 回以上繰り返したところ、2497個の細胞が走っている最中に活性化しており、そのうち15%がラットの走る速度に応じて活性化したり、落ち着いたりするスピードメーター細胞であることがわかりました。 スピードメーター細胞は速度にのみ反応し、移動の方向には関係がありませんでした。 逆の実験として、数個のスピードメーター細胞からの情報を読み出すことによって、そのときのラットの移動速度を算出することもできました。脳内ナビゲーションシステムは哺乳類全体で似ていると思われていますので、人間の脳にも同様のスピードメーター細胞があるものと思われます。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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