2010年1月9日 スケーリーフットの大群衆 スケーリーフットは世界で唯一、体の一部が鉄でできている生物です。一見単なる巻き貝ですが、裏返すと足の裏に相当する部分に硫化鉄のウロコがびっしりと形成されています。2001年に米国の研究者らによって発見され、めったにいない生物だと思われていました。ところが、2009年に行われた日本の潜水調査船しんかい6500による調査で、深海熱水噴出口にまとわりつくエビやカニの下にスケーリーフットの大群衆が発見されました。 ホエールフォールは不思議生物の宝庫 ホエールフォールはクジラの死体が海底に沈み、そこに死体をエサにする独特の生態系が発生したものです。ホエールフォールでしか見られない特殊な生物の代表がオセダックスと呼ばれる生物種ですが、今回、新たに発見されたオセダックスはメスは鯨骨に固着し栄養を摂取しますが、オスは体長が0.2ミリしかなく、メスの胴体を取り巻くゼラチン質の組織に住み着いていました。 肺がないのに陸上生活できる両生類 肺がないのに陸上生活できる両生類の新種がガイアナで発見されました。この両生類には足もなく、ミミズのような姿のアシナシイモリと呼ばれる仲間です。アシナシイモリは1995年に発見されて以来これまで1種類しか発見されていない珍しい生物です。また、2008年には肺のないカエルも発見されていて、肺を持たずに陸上生活できる生物は思いのほか多くいそうです。 すでに絶滅してしまった生物 同時代に同じ場所で全く違う性質のワニが共存 1億年前の白亜紀に繁栄していた新種のワニ類の化石がアフリカのサハラ砂漠で発見されました。「イノシシワニ」は全長6メートルでイノシシのように突き出た牙を持っています。「パンケーキワニ」も全長は6メートルですが、イノシシワニがどう猛で小型の恐竜を食べていたと考えられるのに対し、平らな口を水の中で開けて魚が入り込んでくるのを待っていたものと思われています。「ラットワニ」は全長1メートルで植物や昆虫を探して食べていたようです。 日本にもいた角竜 日本国内で初めてトリケラトプスの祖先と思われる角竜の化石が発見されました。角竜とは白亜紀だけに生息し、口や目の上などに角を持ち、頭骨後部が大きくフリル状に広がった恐竜です。トリケラトプスは北米大陸で繁栄した恐竜ですが、その起源は東アジアであると考えられていますので、今回の発見からトリケラトプスの仲間の進化の道筋を解明するヒントが得られそうです。 鳥の特徴を持った恐竜 恐竜が地球上に登場した三畳紀後期の恐竜化石で鳥の呼吸器官とみられる痕跡が発見されました。鳥類の遠い祖先は恐竜だったと考えられていますが、爬虫類から恐竜へと進化した直後に、既に鳥類の特徴を備え始めていた可能性があります。恐竜は肺呼吸ですが、鳥類は肺のほかに「気嚢(きのう)」と呼ばれるポンプのような器官を複数持っています。今回発見された新種恐竜の首の骨の側面に気嚢の存在を示唆する特徴的なくぼみがあることが確認されました。 ちょきりこきりヴォイニッチ ▼人工視覚システムの臨床試験を大阪大学が計画しています。メガネにCCDカメラを取り付け、その映像を電気信号に変換して視神経を刺激することによって、失われた視力を回復させるのが目的です。この方法で指の本数がわかる程度の視力が得られるそうです。 ▼不公平をいやがる脳の部位を発見 今週の無料番組
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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