【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 三菱重工業は、宇宙空間で動物実験を行うための回収カプセル型生物実験システムの研究を行っていますが、製薬業界が新たなシーズを求めてこの宇宙創薬構想に興味を示し始めています。 三菱重工業が開発中の回収カプセル型生物実験システムはH-UA ロケットのピギーバック・副衛星エリアに搭載することで、日本独自に低コスト・高頻度での小動物などの打上げから回収までの生物実験を実現するものです。微小重力環境下で実験動物に起こる変化を遺伝子・タンパク質・代謝レベルでとらえ、情報を蓄えてデータベース化することによって、ターゲット探索として活用し、新たな化合物発見につなげることを考えています。 微小重力環境下でマウスに起こる変化として次のようなものが考えられています。 宇宙実験の創薬研究プラットホームとしての可能性を検討するために、2008年に宇宙創薬協議会が発足しました。この協議会には複数の製薬企業が参画しています。宇宙空間での実験に先立って、宇宙実験の有効性を判断するために航空機を使った短時間微小重力実験が行われました。マウスを使った実験ではストレスの一つの指標とされる血中コルチコステロン及び遺伝子発現に明らかな差が出ていることがわかり、更に長時間の微小重力実験の必要性を示しています。 ピギーバックサイズの回収カプセルは、直径65センチ、高さ50センチ、重さ110キロの円錐状です。このうち、実験に関わるユニットはだいたい一辺30センチ程度のサイコロ状で、質量約は20キロです。ここには3匹のマウスを収納できる動物カゴ、エサをあらかじめ設定されたタイミングで与える装置、飲み水を与える装置、そして閉鎖環境制御システムと呼ばれる、酸素濃度を維持したり、二酸化炭素を除去したり、温度湿度を調節する装置を含みます。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。) (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。)
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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