【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】 太陽光線を浴びたとき、どのようなきっかけで日焼けの症状が現れるのかはこれまでわかっていませんでしたが、そのメカニズムをカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者らが解明しました。 太陽光に含まれる紫外線は細胞を殺す強い作用があります。死んだ細胞の内部では、RNAの一種が分解されます。それを隣接する生きた細胞が検知することによって自分たちが紫外線による危機に直面していることを察知します。そして、死細胞周辺の健康な皮膚に炎症を起こすように信号を送り、日焼けの症状となります。RNAはDNAの遺伝情報を伝達する役割がありますが、日焼けを引き起こすRNAは「非コードRNA」という種類で、遺伝情報の伝達ではなく遺伝子の働きを制御する役割を担っています。 今回の研究では日焼けの原因を突き止めるために、ヒトの皮膚細胞に紫外線を照射して損傷を与えて殺した後、それらの死んだ細胞を正常な細胞の中に加えました。このときの紫外線照射量は、肌を15〜30分ほど直射日光にさらした場合に相当して、肌が赤くなる症状に十分な量でした。このとき、正常な細胞の持つ、通常はウイルスに由来する外来性のRNAを検出するセンサーが、死細胞内の分解されたRNAを認識して炎症反応を誘発することを見出しました。 比較対象実験として、ウイルスのRNAを検出するセンサーを持たない遺伝子組み換えマウスに紫外線を照射する実験を行ったところ、日焼けの症状はほとんど見られないこともわかりました。 ◇ ◇ ◇ 夏休みスペシャル 夏休みの自由研究課題の参考にしていただくために、毎週1本本編を無料配布しています。右側の「無料配布試聴版」からダウンロードしてください。 (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。) |
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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