2010年5月15日 日本医科大学の研究者らが、大人のマウスにSSRIと略される選択的セロトニン再取り込み阻害薬という種類のうつ病の薬を長期間投与すると脳の成熟した神経細胞が、幼いマウスのような未熟な神経細胞に戻ることを発見しました。医薬品がこのような細胞のダイナミックな変化をもたらし、その結果として治療効果や副作用が現れているようです。
脳の神経細胞には幼若細胞とそれが成長した成熟細胞があります。胎児の後期から生後にかけて、神経細胞から枝のように四方八方に伸びた神経突起が、周辺の神経細胞と接続し、神経回路網が作り上げられます。その後、幼児期に音や光などの外部からの刺激を受けるようになると、それらの情報を処理するのに都合が良い形に神経回路の配線の組み替えが繰り返し起こります。この仕組みがうまく動かなければ、言語学習や、外環境に適応した神経活動に異常が生じ、その結果、精神遅滞疾患や統合失調症などさまざまな精神疾患につながると考えられます。
▼小惑星「テミス」に水の氷が検出された 地球以外の場所で水を見つけると言うことは、生命誕生の謎や、今後の人類の宇宙探査の資源確保、また、宇宙の普遍的な環境とはどのようなものかを研究するに当たって非常に重要です。すでに、太陽系内部ではいくつかの天体で水の存在が確認されています。今回、米・ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所の天文学者らは、小惑星「テミス」の表面を赤外線で観測した結果から、水の氷が炭素系の有機化合物とともに存在していることを発見しました。 ▼アスファルト火山を初発見 アメリカ、カリフォルニア州沿岸沖の海底で2007年に発見された奇妙な半球状の地形が、調査の結果、原油と海洋生物の化石が混ざり合い硬化してできた"アスファルト火山"であると判明しました。資源としての可能性を調査した結果では品質が非常に悪く製品にすることはできないようでした。この火山ができた仕組みはよくわかっていませんが、天然の石油・ガス鉱床が地球内部から漏れ出ることによって形成されたようです。 今週の無料番組
|
Science-Podcast.jp
制作
このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
|