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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。 2017年5月13日 第653回 海洋堆積物中化石DNAの解読に成功 高感度な分析装置を使って池の水や土壌中などの環境中のDNAを分析し、その地域にどのような生物が住んでいるのかを推定することができます。水の中に住んでいる生物から剥がれ落ちた細胞や糞便の中に含まれる細胞からDNAが流出するので、自然環境の中にはDNAがたくさん紛れ込んでいます。それらのDNAを「環境DNA」と呼びます。 過去の海洋生物を調べる場合、これまでは化石を調べるなどの研究が中心でしたが、海洋底堆積物中の古い環境DNAを調べることができれば、化石を探し出すこと無く、当時の海洋に生息した生物がどのようであったかがわかるはずです。 ですが、DNAは自然環境では微生物によって分解されてしまいますので、太古のDNAを分析するのは非常に困難と思われていました。 微生物の生息しにくい環境であればDNAが残存している可能性が高まることを予測した東京大学の研究グループは、海底でメタンハイドレートの形成を伴う冷水湧出地域に着目して環境DNAを調べました。メタンが湧き出す海底ではDNAの分解をするような普通の菌の活動が抑えられていると考えたためです。 上越沖の3地点の地下40 mまでの地層中のDNAを調べた結果、10万年前の試料から、珪藻、放散虫、海藻、陸上植物等を起源生物とする化石DNAの配列を取得することに成功しました。 3万年前の地層からは当時が寒冷な気候だったことを示す寒い地域に生息する珪藻のDNAが珪藻化石と共に検出されました。3万6000年前と6万年前の温暖期の試料からは広葉樹であるハンノキとニレがそれぞれ検出されました。分析装置が高感度になったことによって実現した太古環境DNA解析は過去の生物や生息環境を復元するのに強力な武器となると期待されます。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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