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2010年8月7日
Chapter 301 鉄系超伝導体の新たな動き
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独立行政法人物質・材料研究機構は鉄系超伝導関連物質を赤ワインに浸し約70℃に加温すると超伝導を発現させる事ができることを発見しました。超伝導物質は電気抵抗が完全にゼロになるため、エネルギーを全くロスなく輸送・貯蔵することが可能で、将来の環境エネルギー材料として注目されています。
赤ワインと同じアルコール度数になるように水とエタノールを混合し、同じ条件で実験をしましたが、超伝導体を作る効率は赤ワインの方が7倍近く高かったようです。このことは、お酒に含まれる水・エタノール以外の成分が、超伝導発現に寄与していることを示唆しています。そこで、比較のため様々なお酒を用いて同様の実験を行いました。実験に用いたお酒は、赤ワイン、白ワイン、ビール、日本酒、ウイスキー、焼酎で、全てのお酒に超伝導体を作る効果がありましたが、最も強く超伝導が発現したのは赤ワインで弱かったのは焼酎でした。焼酎が最も弱かった理由は焼酎は蒸留が進んでいるため、純粋な水とエタノールの混合溶液に近いことが原因だろうと思われます。
そのような超伝導は私達の生活にどのように関わってくるのでしょうか。
まず、エネルギー分野においては、超伝導エネルギー貯蔵装置というものが考えられています。これは、超伝導で出来たコイルに抵抗ゼロで直流電流を流すことによって電流が失われることなく流れ続けることを利用してエネルギーを貯蔵する装置です。
物流分野ではリニアモーターカーに超電導磁石がすでに採用されています。鉄道車輌は非常に重いので、通常の電磁石では浮かび上がらせることが困難ですので、車輌側に超伝導磁石が使用されています。軌道の側にはコイルだけが設置されていて、車両が接近してくると車両にある超伝導磁石によりコイルに電流が誘起されて一時的にコイルが電磁石になり、超伝導磁石との間で力が働くしくみになっています。
サイエンスの分野では、NMR(核磁気共鳴装置)と呼ばれる分析装置では液体ヘリウムで冷やした超伝導磁石を使って分子の構造などを調べる研究に使用されていますし、レントゲンのように体の外から体内を観察する医療機器として広く使用されているMRI(磁気共鳴画像診断装置)も超電導磁石が使用されています。
また、実用化はされていませんが、超伝導を船の推進力に使用することも考えられています。フレミングの左手の法則を応用し、磁場と電場を使って推進力を作り出そうというものです。この法則によれば船の底で水に磁場をかけ電流を流すことにより、船の後ろ方向へ力を働かせることができます。
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