ヴォイニッチの科学書は今年もサイエンスアゴラに出展します。 公式サイトのプログラムはこちら ◇ ◇ ◇ 2010年7月3日 今回の研究では、酒粕ペプチド中に、抗酸化活性を有するペプチドが17種類含まれていることを液体クロマトグラフ質量分析計解析により確認し、その構造が決定されました。これら抗酸化活性に寄与する主要なペプチドは、アミノ酸2または3個からなるものが多く、抗酸化ペプチドとして医薬品にもなっているグルタチオンと同等の活性を有していることも確認されました。肝臓は生体内で過剰な活性酸素や過酸化脂質が集中する臓器であることから、抗酸化活性は肝臓機能を保護する上で重要と考えられています。 さらに、肝障害予防効果を検証するために、酒粕ペプチドをマウスに経口摂取させ、6週間後、肝障害のマーカーである血清GPT(グルタミン酸ピルビン酸転移酵素)と、血清GOT(グルタミン酸オキザロ酢酸アミノ基転移酵素)の値を確認したところ、通常のエサのみを摂取させた場合を100%とすると、酒粕ペプチドでは、血清GPT値は26%、血清GOT値は39%へと有意に減少しました。このことは、酒粕ペプチドには肝機能を保護し、肝障害予防効果があることを示しています。 これまでの研究で、酒粕ペプチドには、アンギオテンシン変換酵素の働きを阻害することで血圧を降下させる機能性があることが明らかになっており、今後は、酒粕ペプチドの血圧降下活性に加え、今回新たに見出した抗酸化活性、肝障害予防効果についてさらに検討を進め、飲食品にさまざまな機能を付与するなどの応用が目指されるようです。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。) 今週の無料番組
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このページはインターネット放送局くりらじが毎週放送している科学情報ネットラジオ番組「ヴォイニッチの科学書」の公式サイトです。放送内容の要旨や補足事項、訂正事項などを掲載しています。
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