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2010年7月31日
Chapter 300 神経活動の観察を生きた脳で実現した光遺伝学ツール
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脳では神経細胞周辺の電気のプラスとマイナスの度合いの違いで情報の伝達、つまり思考や記憶が行われていると考えられます。独立行政法人理化学研究所の研究チームはこのプラスとマイナスの変化をタンパク質の発光に変換して検出する技術を開発しました。ここで用いられたタンパク質は電位感受性蛍光タンパク質と呼ばれるものです。
このタンパク質を遺伝子組み換え技術でマウスの脳の特定の場所で作り出し、タンパク質の発光を観察しながらヒゲを刺激したところ、神経活動の様子をリアルタイムで画像化することに成功しました。
従来はプラスマイナスの変化に対応して色が変わる電位感受性色素を使って同様の観察が行われていましたが、この方法は神経の活動と色の変化のタイムラグが大きく、特定の細胞だけを観察することもできませんでした。
このような観察方法は光遺伝学(オプトジェネティクス)と言われ、神経の活動を光と遺伝子操作を使って調べる研究分野です。この方法は神経細胞の反応にミリ秒の速度で追随でき、頭蓋骨の外から光を読み出すことが出来るので、動物に与えるダメージも小さく、1匹の動物を飼育しながら長期間にわたって観測することが可能です。今後、精神疾患の解明において、脳のどこに異変が起きているのかを明らかにするためのツールとして活用されることも期待されています。
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ちょきりこきりヴォイニッチ
今日使える科学の小ネタ
▼水星で驚くほど激しい電磁気嵐を発見
NASAの水星探査機メッセンジャーによる水星接近通過から得られたデータを分析したところ、水星磁場の尾で驚くほど激しい電磁気嵐が生じていることがわかりました。火星と金星を除き、太陽系の惑星には磁場と磁場の尾があります。水星の磁場の強さは地球の約1%しかありませんが、電磁気嵐は相当激しいようです。
▼系外惑星オシリスに彗星に似た尾を確認
太陽系外惑星HD 209458b(惑星オシリス)は主星から非常に近い軌道を公転しているホッとジュピターであるため、大気が吹き飛ばされて彗星のようなガス状の尾を引いている(今のところ)珍しい惑星であることがわかりました。ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測では、オシリスからは1日に約36トンの大気成分が流出していて約1兆年で蒸発してしまう計算になります。
▼排水中の抗うつ剤、エビの行動に影響
世界各地の下水道などに垂れ流される抗うつ剤の残留物の影響で、エビの行動が変化し、天敵に食べられやすくなっているという最新の研究が発表されました。米国では一時期不要になった医薬品はトイレに廃棄するように指導されていた時代があり、その影響が大きい物と思われます。
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