2010年8月14日 そもそもなぜ月かということについて説明します。太陽系の成り立ちなどを解明するためには、様々な天体の探査を行うことが重要ですが、その中で、月は地球に最も近く、しかもある程度強い重力のある天体です。月探査によって太陽系探査のための宇宙技術を自ら確立し、世界トップレベルにある探査機を使った日本の月探査技術を一層発展させる必要があります。 月探査の目標 月の南極地域は、月の裏側からも多様な物質が飛散してきている可能性が高いと考えられています。月の裏側にサンプルリターン機を跳ばすよりも低コスト・低リスクでこれまで人類が手にしたことのない科学的価値の高い岩石を採取できる可能性が高いと考えられています。また、南極域は、月の裏側で発生した地震を直接計測できる可能性があるので、地震計等を使った内部構造探査の場所としても価値が高いとされています。また、2020年という高いハードル設定についても2020 年にこれらの内部構造探査やサンプルリターンが実現すれば、得られたデータは引き続き世界トップレベルのものとなると思われ、大きく国際貢献できる可能であります。ただ、2020年は非常に高い目標設定で、その前段階として、2015 年に軟着陸とロボットによる予備的な探査を実施することが望ましいとされています。 2015年までに開発しなければならない技術は100mの精度レベルでの月面無人自動軟着陸、ロボットによる地震計等の観測機器を月面の適地を選んで設置すること、月は2週間夜が続きますが、この間、再生可能エネルギーのみによる活動を太陽光発電とリチウムイオン電池のみで行うことなど、いずれも世界初の技術です。また、月面でのハイビジョン映像の撮影も計画に盛り込まれることが期待されています。資金規模は、2015 年頃までに約600〜700 億円程度と試算されています。 ◇ ◇ ◇ (FeBe! 配信の「ヴォイニッチの科学書」有料版で音声配信並びに、より詳しい配付資料を提供しています。なお、配信開始から一ヶ月を経過しますとバックナンバー扱いとなりますのでご注意下さい。) ヴォイニッチの科学書は株式会社オトバンクが発行するオーディオブック番組です。 定期購読はこちらからお申し込みいただけます。 このサイトでは番組のあらすじを紹介しています。無料で閲覧できます。 ※FeBe!で定期購読をしていただいている方には毎週、ここで紹介するあらすじよりもさらに紹介した配付資料をお届けしています。今週は特別に、通常は会員限定の配付資料をどなたでも無料でダウンロードしていただけます。>>253.pdf
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