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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。 2017年6月24日 第659回 ニューロモデュレーション ギャンブル依存症を治療するための神経科学的な研究が進んでいます。依存症は意志が弱いからだ、などといった性格の問題として解決することはできません。 人は状況によってリスクを取るか取らないかの判断をしばしば行っています。そこで、京都大学の研究者らはギャンブル依存症の人は状況に応じてリスクの取り方を切り替える能力に障害があるという仮説を立ててそれを検証する研究を行いました。 たとえば、ギャンブル依存症の人はサッカーの試合の前半のように比較的安全な戦略が必要な状況でも、試合終了間際で負けている場合と同じような過剰なリスクを取っていると考えました。 ギャンブル依存症の人とそうではない人に実験協力ボランティアとして参加してもらい、リスクのない簡単なギャンブルからハイリスク・ハイリターンを狙わなければ勝てないギャンブルまで、実験的に考え出された課題に取り組んでもらいました。その結果多くの人は難易度が高いミッションほどハイリスク・ハイリターンを選択するというリスクの取り方の変化が生じます。ところが、ギャンブル依存症の人は全体的にハイリスク・ハイリターンのギャンブルを選択する傾向が強いことがわかりました。 特に、リスクを取らなくてもクリアできる可能性が高い条件で不必要にリスクを取っていることがわかりました。多くの人が柔軟にリスクの取り方を切り替えているのに対して、ギャンブル依存症を治療していない人はその切り替えが上手くできていないことを示しています。これらの実験中の脳の活動をfMRIのデータを解析するとリスク選択の切り替えには前頭前野背外側部と前頭前野背内側部の結合が重要であり、ギャンブル依存症患者の場合は前頭前野背外側部の活動が低下していることがわかりました。 今後はこのデータを用いてニューロモデュレーションの開発を目指すとしています。ニューロモデュレーションとは電気刺激、磁気刺激などの物理的な方法で脳に直接、介入を加え、脳の機能を変容させ、精神神経疾患の治療に応用する方法のことです。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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