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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。待望の人工衛星編も
2017年8月よりスタートしました。 2017年10月21日 第676回 最近の細菌の話題 地底には細菌アンダーグランドとも呼べる未知の世界が広がっていることがわかっています・・・拙著「マンガでわかる菌のふしぎ」(SBクリエイティブ サイエンス・アイ新書)100ページあたりを読んでくださいね。 今年で就航10周年を迎えた地球深部探査船「ちきゅう」などを用いた国際的な科学掘削調査により、海底下に生息する微生物の多くが特異な進化を遂げた未知の微生物であることが明らかになりました。 2012年「ちきゅう」による青森県八戸市の沖合80 kmの地点の掘削で、当時の世界最高到達深度、海底下2,466 mまでの土砂の採取に成功し、このような地中深くでも微生物が集団で生きていることが確認されました。地球内部の地下環境は、空陸、海洋とは特性が大きく異なる「第三の生命圏」だと言われており、ここに住む微生物は天然ガスの生成等、地球規模の物質循環に重要な役割を果たしています。 このような深い場所で生きる微生物の生態を調べるために、八戸沖から採取された土砂に、天然ガス成分のメタン(メタノール)などを添加し、現場環境に近い温度、37°Cや45°Cで暗所に30ヶ月静置しました。 あらかじめ、特殊な重い炭素原子と水素原子(安定同位体)を入れておいたところ、それら安定同位体が微生物の作り出すメタノールや二酸化炭素に組み込まれていることがわかりました。このことは地下深くの微生物も外部から栄養を取り込み、排泄をする新陳代謝をしていることを示しています。さらに詳細に分析したところ、これらの微生物は数十年から数百年に1度程度の割合で細胞分裂していることがわかりました。大腸菌は数時間で分裂しますのでそれに比べると非常にゆっくりと生きていることになります。 これらの微生物からDNAを抽出し調べた結果、これらの多くは約2000万年前には陸上や陸地に近い浅い海の海底で暮らしている地下微生物だったことがわかりました。それらが長い年月で地底のマグマによる高温環境を好んだり、過酷な環境を生き抜くために胞子を作ったりする性質を獲得したか、あるいは選別されて生き残ったようです。 就航10周年特設サイト(JAMSTEC) http://www.jamstec.go.jp/chikyu/10th/ 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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