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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。待望の人工衛星編も
2017年8月よりスタートしました。 2017年9月16日 第671回 「病は気から」の分子メカニズムの解明 激しいストレスに晒されている時「ストレスで胃に穴が開く」などと言ったりしますが、慢性的なストレスは実際に消化器系や心臓に悪影響を与えることがわかっています。 健康な脳は周囲の血管との間にバリヤを構築して栄養以外の物質の流入を阻止しています。ところが、多発性硬化症を発症すると脳の血管に免疫細胞の通路が形成される「ゲートウェイ反射」が起き、そこを通って免疫細胞が入り込んで脳に炎症が発生します。 そもそも多発性硬化症の発症には病原性 CD4+T細胞と呼ばれる免疫細胞が関わっています。その影響力は強大で健康なマウスの静脈内に、病原性 CD4+T 細胞を注射すると多発性硬化症を発症するほどです。 北海道大学の研究者らは慢性的なストレスと多発性硬化症、そして消化器系や心臓などの機能障害を関連付ける研究を行いました。 その結果、多発性硬化症単独もしくは慢性的なストレス単独でマウスが死亡することはありませんでしたが、慢性的なストレスを与えたマウスに病原性 CD4+T 細胞を注射して多発性硬化症を発症させると、そのマウスは突然死することがわかりました。この突然死の原因はストレスを受けやすい臓器として知られる胃・十二指腸の炎症性出血による心臓機能の低下でした。 図:北海道大学プレスリリースより この時、多発性硬化症病原性 CD4+T 細胞は海馬周辺の特定の場所に出来た血管の通路から脳の中に侵入していることが確認されました。より詳細にその仕組みを調べたところ、脳内で発生した炎症により、神経細胞が刺激されて神経伝達物質ATPが分泌され、分泌されたATPによってさらに別の神経回路が活性化し、消化器系の不調を経て心機能低下が生じていることがわかりました。このことは「病は気から」の分子機構の一例を表していると考えられます。 このような脳内の炎症が神経回路を活性化することで臓器の機能を低下させるという現象が確認されたのは世界で初めてのことです。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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