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ビジネスジャーナルで美味しい料理の科学と化学・・・「化学に恋するアピシウス」連載中です。 2017年8月19日 第667回 ゲノム編集でヒト受精卵を修復 米オレゴン健康科学大学が心臓病の治療を目的としたヒト受精卵の遺伝子編集を行ったことを発表しました。研究チームは「CRISPR-Cas9(クリスパー-キャスナイン)」という遺伝子書き換え技術を使って、受精卵の肥大型心筋症の原因となる遺伝子変異を除去することに成功しました。肥大型心筋症は500人に1人程度が発症し、心臓を拍動させる筋肉が太く固くなって動きが悪くなり、心臓が突然止まるおそれがある病気です。 写真 受精卵:オレゴン健康科学大学 今回の研究では、病気遺伝子を持つ男性ドナーの精子と病気遺伝子の無い女性ドナーの卵子から受精卵を作成する際にCRISPR- Cas9技術を使って病気の原因となる変異遺伝子を切り取りました。 一般的な手法で受精卵の病気遺伝子の除去を行った場合、遺伝子の除去はある確率で成功するため、1個の受精卵の中に病気遺伝子を除去できた細胞とできていない細胞の両方が混在するモザイク状の受精卵ができる問題があります。それを防ぐために、受精後に遺伝子を編集するのではなく、CRISPRと精子を同時に卵子に注入したところ、モザイク状にはならず、7割の確率で遺伝子変異を修復することができました。 研究チームは遺伝子修正後の受精卵を胚盤胞(はいばんほう)の段階(不妊治療では通常、この段階の受精卵を母体に移植する)まで成長させましたが(下写真)、異常は見られなかったということです。 写真 上記遺伝子書き換え受精卵を胚盤胞まで育てたもの:オレゴン健康科学大学 この手法は遺伝性の難病治療には非常に有効ですが、人間の遺伝子を書き換えることにおける安全性と倫理面に関するさらなる研究と議論が必要です。 「ヴォイニッチの科学書」は2001年に前身「ムートン」として配信を開始した世界初の日本語によるインターネット科学ラジオ番組です。毎週ホットな話題や枯れた話題をわかりやすいフレーズに乗せて配信しています。 無料版(短縮版)は iTunesStore やインターネットラジオ局くりらじから配信登録できます。iTunes の検索窓に「ヴォイニッチ」と入力してください。Webからの登録はこちらから。 有料版は株式会社音バンクが発行しているオーディオブック番組です。定期購読はFebe!のサイトからお申込みいただけます。有料版にはより長時間の音声配信並びに、詳しい配布資料を提供しいます。 |
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