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【ニュース】
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【ヴォイニッチの科学書《有料版》番組要旨】
2014年3月29日
Chapter-490 SACLAの眼の更なる進化
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生命活動や材料科学などのあらゆる自然現象には原子や分子の並びかたや動きが関係しています。もし、それらを直接観察できれば、難病の原因解明や新素材の開発など、私たちの生活の向上に大きく役立つことが期待できます。
エックス線レーザーを作り出す巨大装置であるSACLAは病院に設置してあるレントゲン検査装置の高性能版と考えるとわかりやすいと思います。レントゲン検査では人間の体にエックス線を照射して肉眼では見えない骨の状態などを描き出します。エックス線の波長をどんどん短くして、更にエネルギーを高めると肉眼では見えないような細かな構造を描き出すことがでできることが発見されました。
一方で、非常に強い光を出す光源としてレーザーがあります。レーザーとは光の波において、山と谷の形が揃った、専門家が「位相の揃ったコヒーレントな光」と呼ぶ光の特殊形です。エックス線も光の一種ですのでレーザーにすることができるはずです。もし、X線レーザーができれば、原子や分子の瞬間的な動きを観察することができるはずですが、従来のレーザー技術の延長では波長が極端に短いX線レーザーを作ることは不可能でした。
その不可能を可能にしたのがX線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」でした。SACLAのエックス線レーザーの明るさはSpring-8のエックス線の明るさの100億倍にも達し、それを10フェムト秒という電子の動きさえ止めて見せてしまうことができるほどの瞬間照射をすることが可能です。
さて、レントゲン装置も人間にエックス線を照射するだけでは体の中は見えません。かついては、エックス線フィルムが、現在は撮像素子がつかわれていますが、SACLAも物質に照射したエックス線レーザーを映像化するセンサーが必要です。このたび、SACLAでは新たに世界最高性能のエックス線イメージング検出器「マルチポートCCD検出器」の開発に成功したと発表しました。これは、日本の理化学研究所、明星電気株式会社、そしてイギリスの複数企業による国際共同研究成果です。
今回、世界で初めてX線自由電子レーザーの潜在的可能性を引き出すことが可能なセンサーが開発され、人類がまだ見たことも無い原子、電子の世界が描き出されることが期待されています。
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